015:ニューロン--------------あたしの中で、アンタとすべてがニューロンで繋がれてるんだ。
たとえば、本屋にいるとき。
めったに見ない分野のほうを眺めながら、いつも何読んでるのだろうと考える。
たとえば、CDを聞いてるとき。
こんな曲は好きだろうか、とか、どんなのを聞くんだろうとか考える。
たとえば、高いところにあるものをとるとき。
このくらいの高さなら、簡単に届いてしまうんだろうかと考える。
たとえば、カメラを構えたとき。
いつもどんなものをその瞳に写して、捉えたいと思ってるのか、そのものを見たいと考える。
たとえば、空を見上げたとき。
この空の下、どこにいるんだろう、とか、何してるんだろう、とか、そんな少し莫迦げたことを考えている。
どんなときであっても、どこにいても、何をしていても、浮かんでくるんだ。
アンタは、一体何してる?
頭の中の回路は、三歳児までに完成されるらしい。そこから先は減る一方。
こんなに大きくなってから、貴重にも育ってくれたあたしのニューロンは、ありがたいことにそんなところに能力を限界までつぎ込んでくれている。
しかもどうやら回路のど真ん中。
おかげで何を考えても、全部アンタにつながってしまうよ。
だから、ねぇ
何とかしてよ。
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笑ってないで、早くキスして。