起　て　よ　お　　前　は　朽　　　葉　　　で　　　　　　な　　　　　　　　　　い





たてよ。


なぁ、たてって。




ここで死ぬつもりなんかさらさらねぇだろ？



俺だってねぇよ。



もう無理だとか言ってんじゃねぇよ。頑張ってる俺が馬鹿みてーだろ。




こんな、こんな薄暗い腐りかけた森ん中で俺は死にたくねえんだよ。



早く起てって。


なぁ、おい！




…腐葉土と一緒に、朽ちて行くのか？




ゆっくり溶解してってこの森の土ん中に融けて滲みこんでそこらに落ちてる葉っぱやら何やらと一緒に森の栄養になるのかよ？




俺は嫌だ。ぜってー嫌だ。
置いて行くぞ、なぁ、たてって！！




起てよお前は朽葉でない。



あ　　　あぁ



でもなぁ、おれ、もう、駄目だわ。





いう事聞かない体を抱えて、俺は静かに森に沈んだ。



起てない俺は朽葉になる。

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俺は起てなかった。もう単なる栄養分だ。