い つ も あ げ て る か ら 。




二週間後は私の誕生日。


どうやらそれを思い出したらしく、スタバにて彼氏が唐突に私に聞いた。



「誕生日、何がほしい?」



即座に私は考えた。ピアスもほしいし指輪もほしい。どうせならペアがいい。つーかこいつには金ないし。どっか連れてけってせいぜい県内が関の山。しかも車ないから電車。ご飯奢らせるんじゃあんまり味気ないし、かといってフルコースなんてこっちがゴメンだ。やっぱモノより思い出?そうだよね〜。
勝手にそう結論付けた。つまりは…そう、欲しいものなんて思いつきませーん。


「うーん…思いつかないなぁ…」


「それじゃ困るって。何か言ってよ」


「えー…」


私が困っている間、彼氏はコーヒーを啜る。それを見ながら、ポロっと零した。





「…………愛?」





即座に彼氏は反応を返してくれる。



「駄目」



「何で」






「いつもあげてるから」






…。

……。

………。

…………あー。なんていうか、



バカだ。私も、こいつも。




ちょっと。赤くなるんならそんなこというんじゃない。私もつられたみたいに赤くなってるんじゃない?




もうちょっと真面目に考えよう。キャラメルマキアートを啜りながら、黙って私は考えた。






――ピアスもほしいし指輪もほしい。どうせならペアがいい。つーかこいつには金ないし。どっか連れてけってせいぜい県内が関の山。しかも車ないから電車。ご飯奢らせるんじゃあんまり味気ないし、かといってフルコースなんてこっちがゴメンだ。





やっぱモノより思い出?そうだよね〜。


---------------------------------------------------------------------------------

今思えばあれ、周りに聞かれてたらどうしよう。


[PR]動画