行こうじゃないの。あの地平線。
The Shooting Star☆
ぶっちゃけ意味はなかった。
ただ君と君と私とで、誰だっけ、とにかく誰かの家で飲んでいた。
酔いもさめて、そろそろお開きと言う頃。
誰が言い出したのか。
「ねぇ、学校行こうか?」
PM11:30。
夜の学校に忍び込んだ。
昼間とはまた違った装いの学校は、ひどく静謐で、沈んでいる様にも見えた。
「こっち!広場いってみよう!」
学校の真ん中に広がる芝生の広場。
11月後半の夜は、少し肌寒くて。
「なんかここまで誰もいないと気持ち悪いっつーか、むしろ爽やかだな」
「意味わかんねっーの!」
げらげら笑いながら広場の真ん中まで。いつもは狭いと感じるはずなのに、やたらと広く感じられて。
ボーっと突っ立っていたら、いつの間にか二人がいなくなっていた。
「何やってんの!こっちこっち!寝転べー!!」
見れば少しはなれたところで寝転ぶ二人の姿。何アホなことやってんだか、と思いながらそこに混ざる。
「うわ、星すっごい」
「何やってんだろうなー俺ら」
「これぞ青春だよ!セイシュン☆」
「「馬鹿だー」」
そのまま言葉はなくなって。しばらく空を見上げてみる。
オリオン座。カシオペア。北極星。北斗七星。
「すげー…」
「ねー…」
久々に眺めた夜空は、きれいで、きれいで。
そのとき。視界の端のオリオンから。
「あー―!!!」
「えっ!?な、何?」
思わず私は興奮しながら、
「流れ星!今見た!?オリオンのほうで!!」
「俺見た!流れたよな?今!!」
「え!?ちょっと、あたし見れてない!見逃したー!?」
残念でしたーと笑いながら芝生の上を転がる。少しちくちくして、湿っていて、そういえば地面にこう寝転んだのは久々だ、と思う。
気持ちよかった。
子供じみていた。馬鹿げていた。シチュエーション的にはちょっとクサかった。
でも楽しかったんだ。
こうやってまた笑えたらいい。遊べたらいい。実は、あたしはいつだってそう願ってたりするんだ。
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星が流れてくれたんだから、きっと願いは叶うだろう。